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F@N Ad-Tech Blog

株式会社ファンコミュニケーションズ nend・nex8のエンジニア・技術ブログ

AWS re:Invent の歩き方(3. セッション編)

こんにちは。インフラチームの ka_yagi です。現在ラスベガスで開催されている AWS re:Invent 2016 に参加しています。今回からは実際にイベントのセッションの情報をお伝えしていきます。

今回の内容

  1. 印象に残ったセッションたち
  2. セッションやキーノートを再度見るには
  3. その他感想

1. 印象に残ったセッションたち

私が参加した 20 ほどのセッションのうち特に印象に残ったものをご紹介します。私の拙い英語力のため、理解が間違っている箇所があるかもしれません。ご注意ください。

  • CMP301 - Deep Dive on Amazon EC2 Instances, Featuring Performance Optimization Best Practices
  • STG301-R - [REPEAT] Deep Dive on Amazon Elastic Block Store

AWS の基本となる EC2 や EBS を深堀りするセッションです。正直言って、AWS の文字だらけの公式ドキュメントよりこちらのスライドをみたほうがわかりやすいしためになりました。

(EC2) 日々、業務で EC2 や EBS を使っているとはいえ、意外と基本的なことを知らなかったことに気付かされました。placement group, TSC clocksource, Hugepages など... 基本がわかっていると今後パフォーマンス改善や設計に活かせるので、勉強してかなければと思いました。

(EBS) EBS の仕組みに加えて、性能面で IOPS, Throughput のどちらを優先するか、ST1(Optimized HDD), SC1(Cold HDD) それぞれのボリュームタイプの特性、44KiBの性能の壁(古い Linux カーネルの場合)、RAID、iostat, fio, fsfreeze といったコマンドの実例など。REPEAT されるセッションだけあって図と説明がとてもわかりやすく秀逸でした。

  • CON310 Running Batch Jobs on Amazon ECS

同日の CTO の Keynote で紹介されていた Mapbox(アプリで位置情報を利用できるようになるライブラリ) のバッチジョブを ECS を使って実装している例についての解説です。私の所属しているプロジェクトでもバッチのパフォーマンスが常に問題となっているので、このアーキテクチャに何かヒントをもらえるかもしれません。スケールさせる処理を自動化した ecs-watchbot というライブラリを github で公開しているそうです。ただ、同日に AWS Batch もリリースされたので選択に悩むところです。
github.com

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  • CMP312 - Powering the Next Generation of Virtual Reality with Verizon

こちらは AWS というよりは VR の持つ可能性について興味を惹かれました。"What comes next after smartphones? (スマフォの次に何が来るのか?)"。この問いに対して Verison が出した答えは "Headsets"。セッションではまず開発を進めている Envrmnt という VR プラットフォームを AWS で動かす時に苦労したことと、そこから得たベストプラクティスが紹介されました。VR プラットフォームでの処理を高速化するために GPU のインスタンスを使うこと(同日午前中に発表された F1 インスタンスについても言及がありました)、および GPU の利点とユースケースについて語られました。

後半には Envrmnt のデモが実施されました。VR の中でビデオを閲覧可能であること、友達と話すことができることといった基本的な機能のあと、強調されたのが「コンテンツ配置場所としての VR 世界」について言及がありました。

もしあなたがコンテンツ制作者だったり、自分の作ったアプリをユーザに体験してもらいたいと考えているならば、ただ VR 世界に接触型のコンテンツとして配置すればいいのです。アプリをアップデートするたびに、ユーザがバージョンがあがったアプリをダウンロードするのを待つ必要はなくなります。

この考えを突き詰めれば、現在私たちがパソコンやスマートフォンの中でブラウザやゲームを利用する行動が VR 用ヘッドセットによって置きかわる可能性があるのかもしれません。代わりに実行するのはヘッドセットを装着した後に、いつもの接触型のコンテンツに触れるだけ。ゲームやアプリにアップデートがあってもダウンロードは必要なく、いつでも最新版を利用できる...
その他 VR 世界での Digital Advertisement にも言及がありましたので弊社としては要チェックしたいところです。

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2. セッションやキーノートを再度見るには

SlideShare や YouTube にて AWS 社が提供しているチャンネルで re:Invent のセッションやキーノートを確認可能です。「よかったね」で終わらせないためにも、参考になるセッションは都度確認しようと思います。

www.slideshare.net

James Hamilton (Distinguished Engineer)
www.youtube.com

Andy Jassy (CEO)
www.youtube.com

Werner Vogels (CTO)
www.youtube.com

3. その他感想

セッションについては「AWSの方(概要紹介) + 企業の方(活用例紹介)」といったパターンの他、ディスカッション方式であったり、複数人で分割してパートをわけた発表だったりと様々なスタイルでした。発表者は20代〜30代の男性のアーキテクトが多いものの、年配の方や女性もいらっしゃいました。人種も多様ですが、インド系の方の活躍を目にすることが多かった気がします(残念なことに、私が参加したセッションでは日本人やアジア系の方はいらっしゃいませんでした...)。AWS社内部とIT業界における多様性が垣間見れました。

また、プレゼン資料の作成および発表の教科書としてとても参考になりました。発表者は全員綿密に準備をしてこのイベントに臨んでいる方ばかりですので、プレゼンの完成度はどのセッションも相当高いものでした。勉強会などでの発表においても一種のテンプレートとして活用できるのではないでしょうか。


次回は番外編として各ベンダのブースでの戦利品やラスベガスの街の様子をお伝えする予定です。お楽しみに!